佐渡御書 戸田先生講義 1

戸田先生講義 1枚目A  25:20
戸田先生講義 1枚目B  29:45

佐渡御書    文永九年三月    五十一歳御作   与弟子檀那

00:18~ 此文は富木殿のかた三郎左衛門殿大蔵たうのつじ十郎入道殿等さじきの尼御前一一に見させ給べき 人人の御中へなり、
そこは判りますね、皆一同にこの紙も少なし、人も特別に書くと煩いもあるから、みんなに一斉に差し上げると言う意味です

00:48~ 京鎌倉に軍に死る人人を書付てたび候へ、
鎌倉の戦で即ち や 後に庵治の乱と出て来ますが、鎌倉の や なんてのは有名です その鎌倉で同士打ちをして死んだ人の名前を書いて寄こしなさいとそういう訳です 祈念をしてくださると言うのでしょうな 

01:17~ 外典抄文句の二玄の四の本末勘文宣旨等これへの人人もちてわたらせ給へ。
佐渡に見えられてご不自由ですからそれで、外典と言うのは仏法外の書物の事を外典と言います ま、儒教の本であろう思います 外典抄と抄の字がありますから に少ないですね その頃何か儒教の内の特別な物を選んで書いてあったものだろうと思います それから文句の二ですか? 文句の二これは法華文句と言いまして天台の表した書物でありますが、それから蓮華の四の本末、それと勘文と言うのは朝廷奉った何かの意見書と思います それから宣旨と言うのは法王及び天皇か朝廷が出された告示であると思います それらの物を佐渡へ来るついでがあったら持たせてよこせと、こう言うお手紙です

02:36~ 世間に人の恐るる者は火炎の中と刀剣の影と此身の死するとなるべし
これは誰しも怖いですねあんた、焼け死んじゃった以後剣の影、刀振り上げられたらたまったもんじゃない そして死ぬ あれは自然か世の中では怖い事だってんですよ 嫌なものないですからね 金もいらん、命もいらんなんて平気で言いますけども、命いらんてども殺すって言ったら皆逃げるに決まってますよ 

03:01~ 牛馬猶身を惜む況や人身をや癩人猶命を惜む何に況や壮人をや




 仏説て云く「七宝を以て三千大千世界に布き満るとも手の小指を以て 仏経に供養せんには如かず」取意、 雪山童子の身をなげし 楽法梵志が身の皮をはぎし 身命に過たる惜き者のなければ是を布施として仏法を習へば必仏となる身命を捨る人・ 他の宝を仏法に惜べしや、 又財宝を仏法におしまん物まさる身命を捨べきや、 世間の法にも重恩をば命を捨て報ずるなるべし 又主君の為に命を捨る人はすくなきやうなれども其数多し 男子ははぢに命をすて女人は男の為に命をすつ、 魚は命を惜む故に池にすむに池の浅き事を歎きて池の底に穴をほりてすむしかれどもゑにばかされて釣をのむ 鳥は木にすむ木のひきき事をおじて 木の上枝にすむしかれどもゑにばかされて網にかかる、 人も又是くの如し世間の浅き事には身命を失へども 大事の仏法なんどには捨る事
難し故に仏になる人もなかるべし。

 仏法は摂受・折伏時によるべし譬ば世間の文・武二道の如しされば昔の大聖は時によりて法を行ず雪山童子・薩タ王子は身を布施とせば法を教へん 菩薩の行となるべしと責しかば身をすつ、 肉をほしがらざる時身を捨つ可きや紙なからん世には身の皮を紙とし筆なからん時は骨を筆とすべし、 破戒・無戒を毀り持戒・正法を用ん世には諸戒を堅く持べし儒教・ 道教を以て釈教を制止せん日には道安法師・慧遠法師・法道三蔵等の如く王と論じて命を軽うすべし、 釈教の中に小乗大乗権経実経・雑乱して明珠と瓦礫と牛驢の二乳を弁へざる時は天台大師・伝教大師等の如く大小・ 権実・顕密を強盛に分別すべし、 


畜生の心は弱きをおどし強きをおそる当世の学者等は畜生の如し智者の弱きをあなづり王法の邪をおそる 諛臣と申すは是なり強敵を伏して始て力士をしる、 悪王の正法を破るに邪法の僧等が方人をなして智者を失はん時は 師子王の如くなる心をもてる者 必ず仏になるべし 例せば日蓮が如し、 これおごれるにはあらず正法を惜む心の強盛なるべしおごれる者は必ず強敵に値て おそるる心出来するなり例せば修羅のおごり帝釈にせめられて  無熱池の蓮の中に小身と成て隠れしが如し、正法は一字・一句なれども時機に叶いぬれば必ず得道なるべし千経・万論を習学すれども時機に相違すれば叶う可らず。



 宝治の合戦すでに二十六年今年二月十一日十七日又合戦あり外道・悪人は如来の正法を破りがたし仏弟子等・必ず仏法を破るべし師子身中の虫の師子を食等云云、 大果報の人をば他の敵やぶりがたし親しみより破るべし、 薬師経に云く「自界叛逆難」と是なり、 仁王経に云く「聖人去る時七難必ず起らん」云云、 金光明経に云く「三十三天各瞋恨を生ずるは 其の国王悪を縦にし治せざるに由る」等云云、 日蓮は聖人にあらざれども 法華経を説の如く受持すれば聖人の如し 又世間の作法兼て知るによて注し置くこと 是違う可らず現世に云をく言の違はざらんをもて後生の疑をなすべからず、日蓮は此関東の御一門の棟梁なり・日月なり・亀鏡なり・眼目なり・日蓮捨て去る

  • 最終更新:2018-02-19 16:39:24

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